産後の尿もれ・ぽっこりお腹の原因は骨盤底筋|専門的ケアで根本改善
「くしゃみをすると尿がもれる」「産後6ヶ月たってもお腹がへこまない」「重いものを持つと下腹部に違和感がある」
こんな症状で悩んでいる産後のお母さんは決して少なくありません。これらの症状の多くは、骨盤底筋群の機能低下が原因です。
この記事では、産後骨盤底筋の専門ケアを行う鍼灸師が、骨盤底筋群の役割から効果的な改善方法まで、科学的根拠に基づいて詳しく解説します。
骨盤底筋群とは?その重要な役割を理解しよう
骨盤底筋群の構造と機能
骨盤底筋群は、骨盤の底部に位置する複数の筋肉群の総称で、以下の主要な筋肉で構成されています:
主要構成筋
- 肛門挙筋群:最も重要な深層筋
- 球海綿体筋:尿道や膣の収縮を担う
- 坐骨海綿体筋:骨盤底の安定性に寄与
- 外肛門括約筋:排便のコントロール機能
骨盤底筋群の5つの重要機能
1. 支持機能 子宮、膀胱、直腸などの骨盤内臓器を下から支える「自然のハンモック」としての役割
2. 括約機能 尿道、膣、肛門の開閉をコントロールし、排泄をコントロール
3. 性機能 膣圧の維持や性的満足度に関わる重要な機能
4. 安定機能 腹横筋、横隔膜と連携して体幹の安定性を確保
5. 循環機能 骨盤内の血流・リンパ流を促進し、むくみ予防に寄与
産後に骨盤底筋群が弱くなる科学的メカニズム
妊娠期間中の影響
物理的負荷の蓄積
- 胎児の体重増加による持続的下方圧迫
- 妊娠40週で約3-4kgの荷重が常時かかる
- 筋線維の過伸展による機能低下
ホルモンの影響
- リラキシン:結合組織を緩める作用
- プロゲステロン:筋肉の弛緩作用
- エストロゲン:コラーゲン合成に影響
出産時のダメージ
経腟分娩時の影響
- 胎児通過時の筋群の過伸展(正常の3倍以上)
- 会陰切開・裂傷による神経・筋肉の損傷
- 分娩所要時間との相関関係
帝王切開でも影響を受ける理由
- 妊娠期間中の負荷は同様に存在
- 術後の活動制限による筋力低下
- 癒着による組織の柔軟性低下
産後の回復阻害因子
育児による身体的負担
- 授乳姿勢による姿勢の悪化
- 抱っこによる腹圧の頻繁な上昇
- 睡眠不足による回復力の低下
骨盤底筋機能低下による具体的症状
泌尿器系の症状
腹圧性尿失禁
- くしゃみ、咳、笑った時の尿もれ
- 重いものを持った時の失禁
- 階段昇降時の漏れ
切迫性尿失禁
- 突然の強い尿意
- トイレまで間に合わない
- 頻尿(1日8回以上)
混合型尿失禁
- 上記両方の症状が混在
- 最も治療が困難なタイプ
骨盤臓器脱(POP)
症状の進行段階
- 軽度:下腹部の違和感、重い感じ
- 中等度:外陰部の腫瘤感
- 重度:歩行困難、日常生活への支障
その他の症状
腰痛・骨盤痛
- 仙腸関節の不安定性
- 腰椎への過負荷
- 慢性的な痛みの持続
便秘・便失禁
- 排便時の力みの困難
- 便意の感覚低下
- ガスコントロールの困難
科学的根拠に基づく改善方法
1. 骨盤底筋トレーニング(PFMT)の正しい方法
ステップ1:骨盤底筋の正確な意識
正しい収縮の感覚
- 仰向けで膝を立て、全身をリラックス
- 肛門と膣を「内側上方」に引き上げるイメージ
- 「エレベーターが上昇する」感覚で段階的に収縮
- 腹筋や臀筋に力を入れず、骨盤底筋のみを意識
間違いやすいポイント
- 息を止めて力む(正しくは自然呼吸)
- お尻を締める(骨盤底筋とは別の筋肉)
- 太ももに力を入れる(代償動作)
ステップ2:段階的トレーニングプログラム
初期段階(産後2-6週)
- 持続収縮:3秒間収縮、6秒間休息を5回
- 速収縮:1秒間収縮、2秒間休息を10回
- 1日3セット実施
中期段階(産後2-3ヶ月)
- 持続収縮:5秒間収縮、10秒間休息を10回
- 速収縮:1秒間収縮、2秒間休息を15回
- 1日3セット実施
維持段階(産後3ヶ月以降)
- 持続収縮:10秒間収縮、10秒間休息を10回
- 速収縮:1秒間収縮、1秒間休息を20回
- 1日3セット実施
2. 日常生活での機能的トレーニング
姿勢改善による基盤づくり
座位での正しい姿勢
- 坐骨で座面をしっかり捉える
- 骨盤を軽く前傾させる
- 頭頂を糸で引っ張られるイメージ
立位での姿勢ポイント
- 足裏全体で床を捉える
- 膝を軽く曲げ、過伸展を避ける
- 肩甲骨を軽く寄せる
呼吸との協調トレーニング
横隔膜呼吸法
- 片手を胸、片手をお腹に置く
- 鼻からゆっくり息を吸い、お腹を膨らませる
- 口からゆっくり息を吐き、お腹をへこませる
- 吐く時に骨盤底筋を軽く引き上げる
3. 生活習慣の改善
排尿習慣の正常化
適切な排尿間隔
- 3-4時間間隔が理想
- 予防的トイレは避ける
- 十分な水分摂取(1.5-2L/日)
正しい排尿姿勢
- 前傾姿勢で足裏全体を床につける
- 肘を膝に乗せてリラックス
- 力まずに自然な排尿を心がける
便通の改善
食事による改善
- 水溶性食物繊維の摂取(海藻、こんにゃく)
- 不溶性食物繊維の摂取(根菜、きのこ類)
- 発酵食品による腸内環境改善
当院でのケア
鍼灸整体でのケア
鍼灸で
最新の治療技術
EMSトレーニング機器による専門ケア 当院で使用している最新のEMS機器である「ビジリス」は、以下の特徴があります:
高周波技術の採用
- 深層筋への効果的な刺激
- 表在筋の疲労を最小限に抑制
- より自然な筋収縮パターンの実現
服を着たままの治療
- プライバシーに配慮した治療環境
- 心理的負担の軽減
- 継続治療への意欲向上
病院、クリニックでも採用されている安全な機器です。
治療効果を高めるポイント
継続治療の重要性
改善までの期間目安
- 軽度症状:4-6週間で改善開始
- 中等度症状:8-12週間で顕著な改善
- 重度症状:3-6ヶ月の継続治療が必要
効果を実感するタイミング
- 2週間:筋の意識向上
- 4週間:軽微な症状改善
- 8週間:日常生活での変化実感
- 12週間:安定した機能回復
生活習慣との統合
トレーニングの習慣化
- 決まった時間での実施
- 日常動作との組み合わせ
- 家族のサポート体制構築
モチベーション維持
- 改善の記録をつける
- 小さな変化も評価する
- 専門家との定期的相談
東京都江東区で産後骨盤底筋ケアをお探しの方へ
「自己流のトレーニングでは限界を感じる」「専門的なアドバイスが欲しい」そんな方は、専門家によるサポートを受けることをお勧めします。
住吉鍼灸院アネックスでは、産後の骨盤底筋機能回復に特化した専門ケアを提供しています。
当院の産後骨盤底筋ケアの特徴
骨盤底筋の状態把握、評価
- カウンセリングによる症状の把握
- 機能評価テストによる客観的評価
- 個人個人に合わせた施術プランの作成
最新機器による効果的治療
- 高性能EMS機器による深層筋刺激
- プライバシーに配慮した治療環境
(完全個室)
包括的なサポート体制
- 自宅でできるセルフケア指導
- 継続的な経過観察とプラン調整
安心のサービス
お子様連れ対応 育児中のお母さんでも安心してご来院いただけるよう、お子様連れでの治療に対応しています。事前にお申し出ください。*550円の保育料があります。
完全個室対応 デリケートな症状だからこそ、プライバシーを重視した完全個室での治療を行います。
柔軟な予約システム 育児の合間でも通院しやすい柔軟な予約システムを採用しています。
治療の流れ
初回カウンセリング(60分)
- カウンセリングでの状態把握
- 機能評価テストの実施
- 治療方針の説明・相談
- 初回治療の実施
継続治療(45分/回)
- 前回からの変化の確認
- 機器による専門治療
- セルフケア指導の更新
- 次回までの目標設定
私たちは、お母さんが自信を持って育児に取り組めるよう、身体面・精神面の両方からサポートいたします。
ご予約・お問い合わせ
お電話でのご予約: 03-5669-0269
LINEでのご予約:
「産後だから仕方ない」と諦める前に、まずはお気軽にご相談ください。あなたらしい快適な毎日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
まとめ
産後の尿もれやぽっこりお腹は、骨盤底筋群の機能低下が主な原因です。以下の段階的アプローチで改善が期待できます:
- 正確な骨盤底筋の意識と基本トレーニング
- 日常生活での機能的トレーニングの実践
- 生活習慣の改善(排尿・排便・姿勢)
- 必要に応じた専門的治療の受診
セルフケアと専門的治療を組み合わせることで、多くの方が症状の改善を実感されています。一人で悩まず、適切なサポートを受けながら改善に取り組みましょう。
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